上顎骨 (Maxilla)とは

目次

上顎骨 (Maxilla)

概要

上顎骨(じょうがくこつ、英: Maxilla)は、顔面の中央部に位置する骨で、上顎(上あご)を形成します。上顎骨は、鼻、口、眼窩(がんか、Orbit)など、顔面の多くの構造と関わっており、顔の骨格を支え、歯の支持、呼吸、咀嚼、会話などの機能に重要な役割を果たします。

上顎骨の構造

上顎骨は対になっており、以下の主要な部分から構成されています:

  1. 体部 (Body of Maxilla):
    • 上顎骨の中心部分で、複数の空洞(上顎洞、Maxillary Sinus)を含みます。上顎洞は鼻腔と連結し、呼吸や音声共鳴に関与します。
  2. 前頭突起 (Frontal Process):
    • 上方に伸び、鼻骨と前頭骨と接する部分です。
  3. 頬骨突起 (Zygomatic Process):
    • 側方に伸び、頬骨(Zygomatic Bone)と接する部分です。
  4. 歯槽突起 (Alveolar Process):
    • 下方に伸び、上顎の歯が埋め込まれる部分です。歯槽突起には歯のソケット(歯槽)があり、歯をしっかりと支えます。
  5. 口蓋突起 (Palatine Process):
    • 内側に伸び、対側の上顎骨と連結し、硬口蓋(Hard Palate)の前部を形成します。硬口蓋は口腔と鼻腔を隔てる重要な構造です。

上顎骨の機能

  1. 顔面の構造の支持:
    • 上顎骨は、顔面の中央部分を形成し、鼻、眼窩、口などの構造を支えます。
  2. 歯の支持:
    • 歯槽突起は、上顎の歯をしっかりと保持し、咀嚼機能を支えます。
  3. 呼吸と音声共鳴:
    • 上顎洞は鼻腔と連結し、呼吸を助け、声の共鳴を増幅します。
  4. 咀嚼と会話:
    • 上顎骨は、口の形状を維持し、咀嚼や会話の動作をサポートします。

上顎骨に付着する主な筋肉と靭帯

  1. 筋肉:
    • 咬筋 (Masseter Muscle):
      • 上顎骨に付着し、下顎の挙上を助けます。
    • 上唇鼻翼挙筋 (Levator Labii Superioris Alaeque Nasi Muscle):
      • 上顎骨から上唇に付着し、上唇と鼻翼を引き上げます。
  2. 靭帯:
    • 翼上顎靭帯 (Pterygomaxillary Ligament):
      • 上顎骨と蝶形骨(Sphenoid Bone)を連結し、顎関節の安定性を提供します。

上顎骨の関連疾患と怪我

  1. 上顎骨骨折 (Maxillary Fracture):
    • 外傷や衝撃により上顎骨が折れることがあります。
    • 症状には、顔面の痛み、腫れ、歯の不整合、鼻出血が含まれます。
    • 治療には、固定、場合によっては手術が必要です。
  2. 副鼻腔炎 (Sinusitis):
    • 上顎洞の感染や炎症により、鼻詰まり、痛み、圧迫感が生じます。
    • 治療には、薬物療法、場合によっては手術が必要です。
  3. 顎関節症 (Temporomandibular Joint Disorder):
    • 上顎骨と下顎骨の接続部に問題が生じ、痛みや機能障害を引き起こします。
    • 治療には、理学療法、薬物療法、場合によっては手術が必要です。

上顎骨の健康維持

  1. 適切な口腔ケア:
    • 定期的な歯磨きやフロッシングを行い、歯と歯茎の健康を保ちます。
  2. 定期的な歯科検診:
    • 歯科医による定期検診を受けることで、歯や上顎骨の問題を早期に発見し、対処します。
  3. 安全な生活習慣:
    • スポーツやリスクの高い活動を行う際には、適切な保護具を使用して顔面や上顎骨の怪我を予防します。

まとめ

上顎骨は、顔面の中央部を形成し、歯の支持、呼吸、咀嚼、会話など、多岐にわたる重要な役割を果たす骨です。上顎骨の健康を維持するためには、適切な口腔ケア、定期的な歯科検診、安全な生活習慣が重要です。上顎骨を大切にし、日常生活やスポーツ活動においてその機能を最大限に活かすことが、全体的な健康と幸福感を高める鍵となります。

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この記事を書いた人

パーソナルトレーニング/治療院 連動性療法のバックエイジング。痛みのある部位だけではなく、痛みのある動きに影響を与えている関連している全身の関節の動きにも着目し、正しい筋の使い方に戻していきます。全身の連動性を高めるため、結果的に痛みを取り除くだけではなく、疲れにくく、怪我のしにくい体に若返らせることを目指しています。

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