長腓骨筋 (Peroneus Longus)とは

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腓骨筋 (Peroneus Longus)

概要

長腓骨筋(ちょうひこつきん、英: Peroneus Longus or Fibularis Longus)は、下腿の外側に位置する筋肉で、足首と足の安定性、動きに重要な役割を果たします。長腓骨筋は、腓骨(Fibula)から起始し、足の底部を通り、第一中足骨と内側楔状骨に付着します。この筋肉は、足の外反(Eversion)と足底屈曲(Plantar Flexion)に関与します。

解剖学的構造

  1. 起始 (Origin):
    • 長腓骨筋は、腓骨の上部および外側面、脛骨の外側顆、腓骨頭から起始します。
  2. 筋腹 (Belly):
    • 筋肉の中央部分は、下腿の外側を下行し、腓骨の骨幹に沿って走ります。
  3. 停止 (Insertion):
    • 長腓骨筋の腱は、足首の外側を通り、足の底部を横断して、第一中足骨の底部と内側楔状骨に付着します。

機能

  1. 外反 (Eversion):
    • 長腓骨筋は、足を外側に向けて持ち上げる動きをサポートします。これにより、足が外側に向かって安定します。
  2. 足底屈曲 (Plantar Flexion):
    • 長腓骨筋は、足を下方向に押し下げる動きを助けます。この動きは、歩行や走行時の蹴り出しに重要です。
  3. アーチの支持 (Arch Support):
    • 長腓骨筋は、足の縦アーチと横アーチの支持を助け、足全体の安定性を提供します。

付着する主要な筋肉と靭帯

  1. 腓腹筋 (Gastrocnemius):
    • 下腿の背面に位置し、足底屈曲に関与します。
  2. ヒラメ筋 (Soleus):
    • 腓腹筋の深層に位置し、足底屈曲を助けます。

長腓骨筋の関連疾患と怪我

  1. 腱炎 (Tendinitis):
    • 長腓骨筋腱炎は、過度の使用や繰り返しのストレスにより発生します。症状には、痛み、腫れ、動きの制限が含まれます。
    • 治療には、安静、アイシング、理学療法が含まれます。
  2. 腱断裂 (Tendon Rupture):
    • 長腓骨筋腱の断裂は、急激な外反や過度のストレスにより発生します。症状には、急性の痛み、腫れ、足の不安定感が含まれます。
    • 治療には、手術が必要な場合もあります。
  3. 過使用症候群 (Overuse Syndrome):
    • 長腓骨筋の過度の使用による障害で、ランナーやアスリートによく見られます。痛みや筋肉の緊張が主な症状です。

長腓骨筋の強化とストレッチ

  1. 強化エクササイズ:
    • カーフレイズ (Calf Raises):
      • つま先立ちで踵を持ち上げる運動は、長腓骨筋を含む下腿筋群を強化します。
    • バンドエクササイズ (Resistance Band Exercises):
      • 抵抗バンドを使って足を外側に引っ張る運動は、長腓骨筋の外反筋力を向上させます。
  2. ストレッチエクササイズ:
    • アキレス腱ストレッチ (Achilles Tendon Stretch):
      • 壁に手をついて前方に体重をかけ、後ろ足の踵を床につけたままストレッチすることで、長腓骨筋も伸ばされます。
    • 足底屈筋ストレッチ (Plantar Flexor Stretch):
      • 座った状態で足を前方に伸ばし、つま先を引っ張ることで、足底屈筋群をストレッチします。

長腓骨筋の健康維持

  1. 適切なウォームアップとクールダウン:
    • 運動前後に適切なウォームアップとクールダウンを行うことで、筋肉の柔軟性を保ち、怪我を予防します。
  2. バランスの取れたトレーニング:
    • 筋力トレーニングと有酸素運動をバランスよく取り入れることで、長腓骨筋を含む下腿筋群全体の健康を維持します。
  3. 正しいフォームとテクニック:
    • 運動やスポーツ活動中に正しいフォームとテクニックを使用することで、長腓骨筋への過度な負担を避けます。

まとめ

長腓骨筋は、足首と足の安定性、動きにおいて重要な役割を果たす筋肉です。適切な強化とストレッチエクササイズを通じて、長腓骨筋の健康を維持し、怪我を予防することが重要です。また、適切なフォームとテクニックを使用し、バランスの取れたトレーニングを行うことで、長腓骨筋を含む下腿全体の健康を促進できます。

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この記事を書いた人

パーソナルトレーニング/治療院 連動性療法のバックエイジング。痛みのある部位だけではなく、痛みのある動きに影響を与えている関連している全身の関節の動きにも着目し、正しい筋の使い方に戻していきます。全身の連動性を高めるため、結果的に痛みを取り除くだけではなく、疲れにくく、怪我のしにくい体に若返らせることを目指しています。

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