胸骨 (Sternum)とは

目次

胸骨 (Sternum)

概要

胸骨(きょうこつ、英: Sternum)は、胸郭の中央に位置する平らな骨で、肋骨と鎖骨を結びつけ、胸部の保護と支持に重要な役割を果たします。胸骨は、上から胸骨柄(Manubrium)、胸骨体(Body of Sternum)、剣状突起(Xiphoid Process)の3つの部分に分かれています。

胸骨の構造

胸骨は、以下の3つの主要な部分から構成されています:

  1. 胸骨柄 (Manubrium):
    • 胸骨の上部に位置し、四角形に近い形状をしています。以下の主要なランドマークがあります:
      • 頚切痕 (Jugular Notch):
        • 胸骨柄の上部中央にあるくぼみで、触診可能です。
      • 鎖骨切痕 (Clavicular Notches):
        • 胸骨柄の上部両側にあり、鎖骨と関節を形成します。
      • 第一肋骨切痕 (First Costal Notches):
        • 第一肋骨と関節を形成します。
  2. 胸骨体 (Body of Sternum):
    • 胸骨の中央部分で、最も長い部分です。以下の主要なランドマークがあります:
      • 肋骨切痕 (Costal Notches):
        • 第2から第7肋骨までの肋軟骨が付着する切痕があります。
  3. 剣状突起 (Xiphoid Process):
    • 胸骨の下部に位置する小さな突起で、年齢とともに硬化します。触診可能で、剣状突起を強く押すことは内臓を傷つける可能性があるため注意が必要です。

胸骨の機能

  1. 臓器の保護:
    • 胸骨は、心臓、肺、大血管などの重要な胸部臓器を保護します。
  2. 支持と安定性:
    • 胸骨は、胸郭を形成し、体幹の支持と安定性を提供します。
  3. 筋肉と靭帯の付着点:
    • 胸骨は、様々な筋肉と靭帯の付着点となり、呼吸や上肢の動きを助けます。

胸骨に付着する主な筋肉

  1. 胸鎖乳突筋 (Sternocleidomastoid Muscle):
    • 胸骨柄と鎖骨から起始し、頭蓋骨の乳様突起に停止します。頭部の回旋と屈曲を助けます。
  2. 大胸筋 (Pectoralis Major Muscle):
    • 胸骨体と肋軟骨から起始し、上腕骨に停止します。肩の屈曲、内転、内旋を助けます。
  3. 胸骨舌骨筋 (Sternohyoid Muscle):
    • 胸骨柄から起始し、舌骨に停止します。舌骨の引き下げを助けます。

胸骨の関連疾患と怪我

  1. 胸骨骨折 (Sternal Fracture):
    • 強い外力や衝撃により胸骨が折れることがあります。交通事故や転倒などが主な原因です。
    • 症状には、激しい痛み、呼吸困難、胸部の圧痛が含まれます。
    • 治療には、安静、痛みの管理、場合によっては手術が必要です。
  2. 胸骨炎 (Sternitis):
    • 胸骨の炎症で、感染症や外傷が原因となることがあります。
    • 症状には、胸部の痛み、発熱、腫れが含まれます。
    • 治療には、抗生物質、安静、場合によっては外科的排膿が必要です。
  3. 剣状突起症 (Xiphoid Syndrome):
    • 剣状突起の過剰な成長や炎症により、胸部の痛みや不快感を引き起こす状態です。
    • 症状には、触診時の痛み、胸部の圧迫感が含まれます。
    • 治療には、痛みの管理、物理療法が必要です。

胸骨の健康維持

  1. 適切な姿勢の維持:
    • 正しい姿勢を保つことで、胸骨や胸郭にかかる負担を軽減し、呼吸を改善します。
  2. 定期的なエクササイズ:
    • 呼吸筋や胸部の筋肉を強化するエクササイズは、胸骨の健康を維持するのに役立ちます。
    • 特に深呼吸やストレッチングは有効です。
  3. 健康的なライフスタイル:
    • 喫煙を避け、肺の健康を維持することが胸骨の健康にも寄与します。
    • 栄養バランスの取れた食事と適度な運動を心がけましょう。

まとめ

胸骨は、胸郭を形成し、重要な胸部臓器を保護し、呼吸を助ける重要な骨です。胸骨の健康を維持するためには、適切な姿勢、定期的なエクササイズ、健康的なライフスタイルが重要です。胸骨を大切にし、日常生活やスポーツ活動においてその機能を最大限に活かすことが、全体的な健康と幸福感を高める鍵となります。

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この記事を書いた人

パーソナルトレーニング/治療院 連動性療法のバックエイジング。痛みのある部位だけではなく、痛みのある動きに影響を与えている関連している全身の関節の動きにも着目し、正しい筋の使い方に戻していきます。全身の連動性を高めるため、結果的に痛みを取り除くだけではなく、疲れにくく、怪我のしにくい体に若返らせることを目指しています。

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