小円筋 (Teres Minor)とは

目次

小円筋 (Teres Minor)

概要

小円筋(しょうえんきん、英: Teres Minor)は、肩甲骨の後面に位置する小さな筋肉で、肩関節の外旋および安定化に重要な役割を果たします。小円筋は回旋筋腱板の一部であり、他の筋肉と連携して肩の動きをサポートします。小円筋は、肩甲骨の外側縁から起始し、上腕骨の大結節に停止します。

小円筋の構造

小円筋は、以下の部位から構成されています:

  1. 起始:
    • 肩甲骨の外側縁(Lateral Border of Scapula)
  2. 停止:
    • 上腕骨の大結節(Greater Tubercle of Humerus)

小円筋の機能

  1. 肩関節の外旋(External Rotation of the Shoulder Joint):
    • 小円筋は、肩関節を外側に回旋させる動作を行います。
  2. 肩関節の安定化(Stabilization of the Shoulder Joint):
    • 小円筋は、回旋筋腱板の一部として、肩関節を安定させる役割も果たします。

小円筋の役割と日常動作

  1. 肩の回旋動作:
    • 小円筋は、肩関節の外旋を行うため、物を投げる、引っ張る、押すなどの動作に関与します。
  2. 肩の安定性維持:
    • 日常生活やスポーツにおいて、肩関節の安定性を保ち、負傷を防ぐ役割を果たします。

小円筋の強化方法

  1. サイドライイングエクスターナルローテーション(Side-Lying External Rotation):
    • 横向きに寝て、軽いダンベルを持ち、肘を曲げて外旋する運動で小円筋を強化します。
  2. バンドエクスターナルローテーション(Band External Rotation):
    • レジスタンスバンドを使用して、肘を90度に曲げ、バンドを引っ張りながら腕を外旋させる運動で小円筋を鍛えます。
  3. ケーブルエクスターナルローテーション(Cable External Rotation):
    • ケーブルマシンを使用して、腕を外旋させる運動で小円筋を強化します。
  4. リバースフライ(Reverse Flyes):
    • 軽いダンベルを持ち、体を前傾させて腕を広げる動作で小円筋を含む肩周りの筋肉を強化します。

小円筋のストレッチ

  1. クロスボディストレッチ(Cross-Body Stretch):
    • 片腕を胸の前で伸ばし、反対の腕で引き寄せることで小円筋をストレッチします。
  2. ドアウェイストレッチ(Doorway Stretch):
    • ドアフレームに腕をかけ、体を前方に倒して小円筋を含む肩周りの筋肉をストレッチします。
  3. スリーパーズトレッチ(Sleeper Stretch):
    • 横向きに寝て、下の腕を前方に伸ばし、手首を押し下げて肩の後部をストレッチします。

小円筋の関連疾患と怪我

  1. 小円筋腱炎(Teres Minor Tendonitis):
    • 小円筋の腱が炎症を起こし、痛みや腫れが生じることがあります。繰り返しの動作や過度の使用が原因となります。
  2. 小円筋断裂(Teres Minor Tear):
    • 急激な動作や過度の負荷により、小円筋の腱が断裂することがあります。断裂の程度により、手術が必要になる場合もあります。
  3. 肩のインピンジメント症候群(Shoulder Impingement Syndrome):
    • 小円筋が肩の構造に圧迫され、炎症や痛みが生じる状態です。

小円筋の健康維持

  1. 適切なウォームアップとクールダウン:
    • エクササイズ前後には、十分なウォームアップとクールダウンを行い、筋肉と腱を準備し、リカバリーを促進します。
  2. 正しいフォームの使用:
    • エクササイズ時には、正しいフォームを保ち、肩に過度の負担をかけないようにします。
  3. バランスの取れたトレーニング:
    • 小円筋だけでなく、他の肩周りや背中の筋肉もバランスよく鍛えることで、肩関節の強化と安定性が向上します。
  4. 適切な栄養摂取:
    • 筋肉と腱の成長と回復を促進するために、適切なタンパク質や栄養素を摂取します。

まとめ

小円筋は、肩関節の外旋と安定化に重要な役割を果たす筋肉です。日常生活やスポーツにおいて、肩の回旋動作や肩の安定性維持に関与します。小円筋の健康を維持し、効果的に鍛えるためには、適切なエクササイズ、ストレッチ、栄養摂取が必要です。小円筋を大切にし、全体的なフィットネスと健康を向上させるために、バランスの取れたトレーニングを行いましょう。

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この記事を書いた人

パーソナルトレーニング/治療院 連動性療法のバックエイジング。痛みのある部位だけではなく、痛みのある動きに影響を与えている関連している全身の関節の動きにも着目し、正しい筋の使い方に戻していきます。全身の連動性を高めるため、結果的に痛みを取り除くだけではなく、疲れにくく、怪我のしにくい体に若返らせることを目指しています。

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