胸椎 (Thoracic Vertebrae)とは

目次

胸椎 (Thoracic Vertebrae)

概要

胸椎(きょうつい、英: Thoracic Vertebrae)は、脊柱(背骨)の中間部分に位置する12個の椎骨(T1からT12)で、胸部の背骨を形成します。胸椎は肋骨(Ribs)と関節を形成し、胸郭(Thoracic Cage)を構成して心臓や肺などの重要な臓器を保護します。

胸椎の構造

胸椎は、以下の主要な部分から構成されています:

  1. 椎体 (Vertebral Body):
    • 円筒形で、前方に位置し、体重を支えます。胸椎の椎体は、上部から下部に向かって徐々に大きくなります。
  2. 椎弓 (Vertebral Arch):
    • 椎体の後方に位置し、椎孔(Vertebral Foramen)を囲み、脊髄を保護します。椎弓には以下の部分が含まれます:
      • 椎弓根 (Pedicles):
        • 椎体と椎弓を連結する短い突起です。
      • 椎板 (Laminae):
        • 椎弓根から後方に広がる平坦な部分です。
  3. 棘突起 (Spinous Process):
    • 椎弓の後方から突き出る突起で、筋肉と靭帯が付着します。胸椎の棘突起は斜め下向きに伸びています。
  4. 横突起 (Transverse Processes):
    • 椎弓から左右に突き出る突起で、肋骨と関節を形成します。
  5. 肋骨突起 (Costal Facets):
    • 横突起と椎体に存在し、肋骨と関節を形成する平坦な面です。上肋骨突起と下肋骨突起があります。
  6. 椎間関節 (Facet Joints):
    • 上関節突起(Superior Articular Process)と下関節突起(Inferior Articular Process)から成り、隣接する椎骨と関節を形成し、脊柱の動きを助けます。

胸椎の機能

  1. 体の支持と安定性:
    • 胸椎は、体重を支え、脊柱の安定性を提供します。
  2. 臓器の保護:
    • 胸椎は肋骨と連結し、胸郭を形成して心臓や肺などの重要な臓器を保護します。
  3. 運動の提供:
    • 胸椎は、前後の屈伸、側屈、回旋などの動きを可能にします。

胸椎に付着する主な筋肉と靭帯

  1. 筋肉:
    • 背筋群 (Erector Spinae Muscles):
      • 脊柱の両側に沿って走り、脊柱を伸展、側屈、回旋させます。
    • 多裂筋 (Multifidus Muscle):
      • 胸椎間に位置し、脊柱の安定性を提供します。
    • 僧帽筋 (Trapezius Muscle):
      • 胸椎上部に付着し、肩甲骨を動かします。
  2. 靭帯:
    • 前縦靭帯 (Anterior Longitudinal Ligament):
      • 椎体の前面を縦に走り、脊柱の安定性を提供します。
    • 後縦靭帯 (Posterior Longitudinal Ligament):
      • 椎体の後面を縦に走り、脊柱の安定性を提供します。
    • 黄色靭帯 (Ligamentum Flavum):
      • 椎弓間を走り、脊柱の屈曲を助けます。

胸椎の関連疾患と怪我

  1. 胸椎椎間板ヘルニア (Thoracic Disc Herniation):
    • 椎間板が突出し、脊髄や神経を圧迫する状態です。
    • 症状には、胸部や背中の痛み、しびれ、筋力低下が含まれます。
    • 治療には、理学療法、薬物療法、場合によっては手術が必要です。
  2. 脊柱側弯症 (Scoliosis):
    • 胸椎を含む脊柱が側方に湾曲する状態です。
    • 症状には、背中の不均衡、姿勢の異常が含まれます。
    • 治療には、装具の使用、理学療法、場合によっては手術が必要です。
  3. 胸椎圧迫骨折 (Thoracic Compression Fracture):
    • 外傷や骨粗鬆症により、胸椎が潰れるように折れることがあります。
    • 症状には、激しい痛み、動きの制限が含まれます。
    • 治療には、安静、痛みの管理、場合によっては手術が必要です。

胸椎の健康維持

  1. 適切な姿勢の維持:
    • 正しい姿勢を保つことで、胸椎や脊柱にかかる負担を軽減します。
  2. 定期的なエクササイズ:
    • 背筋や体幹の筋肉を強化するエクササイズは、脊柱の安定性を維持します。特に、ストレッチや体幹トレーニングが有効です。
  3. バランスの取れた栄養:
    • 骨の健康を維持するために、カルシウムやビタミンDを含むバランスの取れた食事を心がけましょう。

まとめ

胸椎は、体の支持、臓器の保護、運動の提供など、多岐にわたる重要な役割を果たす椎骨です。胸椎の健康を維持するためには、適切な姿勢、定期的なエクササイズ、バランスの取れた栄養が重要です。胸椎を大切にし、日常生活やスポーツ活動においてその機能を最大限に活かすことが、全体的な健康と幸福感を高める鍵となります。

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この記事を書いた人

パーソナルトレーニング/治療院 連動性療法のバックエイジング。痛みのある部位だけではなく、痛みのある動きに影響を与えている関連している全身の関節の動きにも着目し、正しい筋の使い方に戻していきます。全身の連動性を高めるため、結果的に痛みを取り除くだけではなく、疲れにくく、怪我のしにくい体に若返らせることを目指しています。

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