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変形性膝関節症とは
目次
変形性膝関節症の概要
変形性膝関節症(Osteoarthritis of the Knee)は、膝の関節にある軟骨がすり減ってしまい、関節がうまく動かなくなる病気です。年齢を重ねることや、膝に負担がかかる生活習慣によって軟骨が傷み、痛みや腫れが起こることがあります。最終的には関節が変形することもあります。特に中高年の方に多く見られ、女性に多いことが特徴です。
発症率
変形性膝関節症は、年齢や性別によって発症しやすさが変わります。以下がその特徴です:
- 年齢による増加:
- 40歳を過ぎると発症率が高くなり、年齢が上がるにつれて増えていきます。
- 60歳以上では、男性で約45%、女性では約70%の方がこの病気を抱えています。
- 性別による違い:
- 女性は男性よりも発症しやすく、特に50歳を過ぎると女性の方が男性の1.5~2倍の発症率になります。
- 一部の研究では、男女比で女性が男性よりも4倍発症しやすいという結果もあります。
- 日本での患者数:
- 日本では、痛みや症状がある患者数は約800万人、X線検査で膝の変形が確認される人を含めると約2500万人が罹患していると考えられています。
原因
変形性膝関節症の原因は、以下のような要因が関係しています:
- 加齢: 年齢とともに軟骨が摩耗し、膝のクッション機能が低下してしまいます。
- 膝の使いすぎ: 長い間、膝に負担をかけ続けるスポーツや仕事をしていると、軟骨が早く傷んでしまいます。
- 体重の増加: 体重が増えると、膝にかかる負担が大きくなり、軟骨がすり減りやすくなります。
- ケガや手術の影響: 膝のケガや手術をきっかけに、関節症が進行することがあります。
症状
変形性膝関節症の症状は、少しずつ進行します。よく見られる症状には次のようなものがあります:
- 膝の痛み: 特に歩く時や階段の上り下りの際に強く感じます。
- 膝のこわばり: 朝起きたときや、長時間座った後に膝が固まって動かしにくくなることがあります。
- 膝が動かしにくい: 膝を曲げたり伸ばしたりするのが難しくなることがあります。
- 膝の腫れ: 膝に炎症が起こり、腫れることもあります。
診断
変形性膝関節症の診断には、次のような検査や診察が行われます:
- X線検査: 軟骨がどれだけすり減っているか、骨が変形しているかを確認します。
- MRI検査: 軟骨や周囲の状態をより詳しく見るために使用されることがあります。
- 問診と診察: 痛みの具合や膝の動き具合を医師が確認します。
治療法
変形性膝関節症の治療は、症状の進行具合に応じて行われます。
- 保存療法: 早い段階では、薬やリハビリ運動で症状を和らげます。痛み止めや抗炎症薬を使いながら、膝の負担を減らす運動を行います。
- 運動療法: 膝周りの筋肉を鍛える運動を行い、膝への負担を減らします。太ももやお尻の筋肉を鍛えることが特に効果的です。ウォーキングや水中運動が推奨されます。
- 注射療法:
- ヒアルロン酸注射: 関節の潤滑を良くし、滑らかに動かせるようにする注射です。初期段階では効果がありますが、進行すると効果が弱まります。
- ステロイド注射: 強い炎症や痛みを和らげる注射です。ただし、繰り返し使用すると副作用があるため、慎重に使われます【6】。
- 手術療法: 保存療法で効果が出ない場合は、関節の一部を修復する手術や、人工関節に置き換える手術が行われます。
予防法
変形性膝関節症を予防するためには、次のような対策が有効です:
- 体重管理: 適正な体重を維持することで、膝への負担を減らします。
- 適度な運動: 関節に負担をかけない範囲で定期的に運動し、膝周りの筋肉を鍛えます。ウォーキングや水中運動が良い選択肢です。
- 膝に負担をかけない姿勢を心がける: 長時間同じ姿勢でいることや、膝に過度な負担をかける動作を避けるようにしましょう。
まとめ
変形性膝関節症(Osteoarthritis of the Knee)は、年齢や生活習慣によって膝の軟骨がすり減り、痛みや動かしにくさを引き起こす病気です。早めに対策を取ることで症状の進行を防ぎ、膝を守ることができます。特に、体重管理や膝を支える筋肉を強化する運動を続けることが、予防に効果的です。