顎関節 (Temporomandibular Joint)とは

目次

顎関節 (Temporomandibular Joint)

概要

顎関節(がくかんせつ、英: Temporomandibular Joint, TMJ)は、下顎骨(Mandible)と側頭骨(Temporal Bone)をつなぐ関節であり、口の開閉や咀嚼、会話などの動作を可能にします。この関節は、複雑な構造を持ち、多方向に動くことができる球関節の一種です。

顎関節の構造

顎関節は、以下の主要な構造で構成されています:

  1. 骨構造:
    • 下顎骨(Mandible): 顎の下部を形成し、顎関節の可動部分を構成します。
    • 側頭骨(Temporal Bone): 頭蓋骨の一部で、顎関節の固定部分を構成します。
  2. 関節構造:
    • 顆頭(Condylar Head): 下顎骨の一部で、側頭骨の関節窩(Mandibular Fossa)に嵌まり込む球状の部分。
    • 関節円板(Articular Disc): 線維軟骨でできた円盤状の構造で、関節の動きを滑らかにし、衝撃を吸収します。
  3. 軟部組織:
    • 関節包(Joint Capsule): 顎関節を包む強靭な膜で、関節を安定させます。
    • 靱帯(Ligaments):
      • 外側靱帯(Lateral Ligament): 関節の外側をサポートし、過度の動きを防ぎます。
      • 内側靱帯(Medial Ligament): 関節の内側をサポートします。
      • 蝶下顎靱帯(Sphenomandibular Ligament): 蝶形骨と下顎骨をつなぎ、関節の安定性を提供します。
      • 茎突下顎靱帯(Stylomandibular Ligament): 側頭骨の茎状突起と下顎骨をつなぎ、関節の安定性を提供します。

顎関節の機能

顎関節は、以下の多方向の動きを可能にします:

  1. 開口(Opening)と閉口(Closing):
    • 口を開けるおよび閉じる動作。
  2. 前進(Protrusion)と後退(Retrusion):
    • 顎を前方に突き出すおよび後方に引っ込める動作。
  3. 側方運動(Lateral Excursion):
    • 顎を左右に動かす動作。

顎関節の役割と日常動作

  1. 咀嚼:
    • 顎関節は、食物を噛み砕く動作において重要な役割を果たします。
  2. 会話:
    • 顎関節は、話す際に口を開閉する動作に関与します。
  3. 飲み込み:
    • 顎関節は、食物や飲み物を飲み込む動作においても重要です。
  4. 呼吸:
    • 顎関節は、口呼吸をする際に口を開ける動作に関与します。

顎関節の強化方法

  1. 顎のストレッチエクササイズ:
    • 口を大きく開ける動作や顎を左右に動かすエクササイズを行い、顎関節の柔軟性を維持します。
  2. 顎の抵抗運動:
    • 手で顎に軽い抵抗をかけながら、口を開ける、閉じる、前後に動かすエクササイズを行います。
  3. リラックスエクササイズ:
    • 顎の筋肉をリラックスさせるために、深呼吸や軽いマッサージを行います。

顎関節のストレッチ

  1. 口を大きく開けるストレッチ:
    • 口をできるだけ大きく開けて、数秒間保持します。
  2. 側方運動ストレッチ:
    • 顎を左右に動かし、それぞれの位置で数秒間保持します。
  3. 前進後退ストレッチ:
    • 顎を前方に突き出し、その後後方に引っ込める動作を繰り返します。

顎関節の関連疾患と怪我

  1. 顎関節症(Temporomandibular Joint Disorder, TMD):
    • 顎関節の痛みや機能障害で、咀嚼筋の異常やストレスが原因とされます。
  2. 関節炎(Arthritis):
    • 顎関節の炎症で、痛みや硬直が生じる状態です。
  3. 顎関節脱臼(Dislocation):
    • 顎関節が正常な位置から外れる状態で、外傷や過度の動きが原因です。
  4. 顎関節円板障害(Disc Displacement):
    • 関節円板が正常な位置から外れる状態で、顎の動きに支障が生じることがあります。

顎関節の健康維持

  1. 適切な姿勢の維持:
    • 座っている時や立っている時に、首と顎の位置を適切に保つことが重要です。
  2. 定期的なストレッチとエクササイズ:
    • 顎関節の柔軟性を維持し、筋肉の緊張を和らげるために、定期的にストレッチとエクササイズを行います。
  3. ストレス管理:
    • ストレスは顎関節症の原因となるため、リラクゼーションやストレス管理の方法を取り入れます。
  4. 適切な咀嚼と食習慣:
    • 柔らかい食物をゆっくりと噛むことで、顎関節に過度の負担をかけないようにします。
  5. 適切な歯科ケア:
    • 定期的な歯科検診を受け、噛み合わせの問題や歯の健康をチェックします。

まとめ

顎関節は、下顎骨と側頭骨をつなぐ関節であり、口の開閉や咀嚼、会話などの動作を可能にします。日常生活や食事において、顎関節はさまざまな動作に関与し、その健康を維持するためには、適切なストレッチ、エクササイズ、栄養摂取が必要です。顎関節を大切にし、全体的なフィットネスと健康を向上させるために、バランスの取れたトレーニングとケアを行いましょう。

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この記事を書いた人

パーソナルトレーニング/治療院 連動性療法のバックエイジング。痛みのある部位だけではなく、痛みのある動きに影響を与えている関連している全身の関節の動きにも着目し、正しい筋の使い方に戻していきます。全身の連動性を高めるため、結果的に痛みを取り除くだけではなく、疲れにくく、怪我のしにくい体に若返らせることを目指しています。

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