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僧帽筋 (Trapezius)とは
目次
僧帽筋 (Trapezius)
概要
僧帽筋(そうぼうきん、英: Trapezius)は、背中の上部から肩、首にかけて広がる大きな筋肉で、肩甲骨の動きや姿勢の維持に重要な役割を果たします。僧帽筋は、頸椎、胸椎から起始し、鎖骨、肩峰、肩甲骨の肩甲棘に停止します。この筋肉は、肩甲骨の挙上、内転、下制、回旋などの動作を行う上で重要な役割を果たします。
僧帽筋の構造
僧帽筋は、以下の3つの主要な部分に分かれています:
- 上部線維(Upper Fibers):
- 頸椎の棘突起から起始し、肩甲骨の挙上と回旋を助けます。
- 中部線維(Middle Fibers):
- 胸椎の上部の棘突起から起始し、肩甲骨の内転(収縮)を助けます。
- 下部線維(Lower Fibers):
- 胸椎の下部の棘突起から起始し、肩甲骨の下制と回旋を助けます。
僧帽筋の機能
- 肩甲骨の挙上(Elevation):
- 上部線維が主に関与し、肩をすくめる動作を助けます。
- 肩甲骨の内転(Retraction):
- 中部線維が主に関与し、肩甲骨を内側に引き寄せる動作を助けます。
- 肩甲骨の下制(Depression):
- 下部線維が主に関与し、肩を下げる動作を助けます。
- 肩甲骨の上方回旋(Upward Rotation):
- 上部と下部の線維が共同して働き、腕を上げる際に肩甲骨を上方に回旋させます。
- 首の動きの補助:
- 僧帽筋の上部線維は、首の伸展や回旋にも関与します。
僧帽筋の役割と日常動作
- 持ち上げる動作:
- 僧帽筋は、物を持ち上げる際に肩甲骨を安定させ、力を発揮します。
- 肩をすくめる動作:
- 僧帽筋の上部線維は、肩をすくめる動作に関与します。
- 腕を挙げる動作:
- 僧帽筋は、腕を頭上に持ち上げる際に肩甲骨の回旋を助けます。
- 姿勢の維持:
- 僧帽筋は、肩甲骨と脊柱の位置を維持し、正しい姿勢を保つのに重要です。
僧帽筋と肩こり
- 肩こりの主要な原因:
- 僧帽筋、特に上部線維の緊張や硬直は、肩こりの主要な原因の一つです。
- 長時間のデスクワークや不適切な姿勢により、僧帽筋に持続的な負荷がかかり、肩こりを引き起こします。
- 症状:
- 僧帽筋の緊張による肩こりは、首から肩にかけての痛み、凝り、張りとして感じられます。
- 頭痛や腕のしびれを伴うこともあります。
- 原因となる日常的な習慣:
- 長時間のパソコン作業や携帯電話の使用
- 不適切な睡眠姿勢
- ストレスによる無意識の肩の緊張
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僧帽筋の強化方法
- ショルダーシュラッグ(Shoulder Shrugs):
- ダンベルやバーベルを使って肩をすくめる動作で、上部僧帽筋を強化します。
- シーテッドロウ(Seated Rows):
- ローイングマシンを使用して、中部僧帽筋を強化します。
- フェイスプル(Face Pulls):
- ケーブルマシンを使って、顔の高さでケーブルを引く動作で、中部および下部僧帽筋を強化します。
- リバースフライ(Reverse Flyes):
- ダンベルやマシンを使って、腕を後方に引く動作で僧帽筋を強化します。
僧帽筋のストレッチ
- 首の横ストレッチ(Lateral Neck Stretch):
- 頭を横に倒し、僧帽筋の上部線維を伸ばします。
- 肩甲骨の内転ストレッチ(Scapular Retraction Stretch):
- 両腕を前に伸ばし、肩甲骨を引き離して僧帽筋をストレッチします。
僧帽筋の関連疾患と怪我
- 筋肉の引きつり(筋痙攣):
- 過度の使用やストレスにより、僧帽筋が引きつることがあります。
- 筋肉の断裂(筋断裂):
- 重い重量を扱う際に、僧帽筋が断裂することがあります。断裂の程度により、手術が必要になる場合もあります。
- 肩甲骨の異常(Scapular Dyskinesis):
- 僧帽筋の不均衡や弱化により、肩甲骨の動きに異常が生じることがあります。
- 緊張性頭痛(Tension Headaches):
- 僧帽筋の緊張が頭痛を引き起こすことがあります。首や肩のストレッチとリラクゼーションが効果的です。
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僧帽筋の健康維持
- 適切なウォームアップとクールダウン:
- エクササイズ前後には、十分なウォームアップとクールダウンを行い、筋肉を準備し、リカバリーを促進します。
- バランスの取れたトレーニング:
- 僧帽筋だけでなく、肩、背中、胸部の筋肉もバランスよく鍛えることで、怪我のリスクを減らします。
- 適切なフォームの使用:
- エクササイズ時には、適切なフォームを保ち、筋肉や関節に過度の負担をかけないようにします。
- 適切な栄養摂取:
- 筋肉の成長と回復を促進するために、適切なタンパク質や栄養素を摂取します。
まとめ
僧帽筋は、肩甲骨の動きや姿勢の維持に重要な役割を果たす大きな筋肉です。肩甲骨の挙上、内転、下制、回旋などの動作に関与し、日常生活やスポーツにおいても重要な役割を担います。僧帽筋の健康を維持し、効果的に鍛えるためには、適切なエクササイズ、ストレッチ、栄養摂取が必要です。僧帽筋を大切にし、全体的なフィットネスと健康を向上させるために、バランスの取れたトレーニングを行いましょう。