筋トレは腰痛に逆効果?正しいアプローチの重要性

筋トレと腰痛

日本の腰痛人口は2,800万人と言われ、国民病と言われています。そのため腰痛がなかなか治らず、なんとか腰痛を治すための方法はないかと探している人も多いのが現実です。

腰痛を治す方法として、筋トレをすれば、腰痛は改善するということを聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。

ところが、筋トレはやり方を気をつけないと腰痛改善するどころか、むしろ逆効果になってしまう可能性もあります。

今回は、「筋トレが本当に腰痛に有効なのか」を考えていきたいと思います。

目次

腰痛で悩まない体とは

本来、人間の体は関節の角度によって収縮する筋肉がリレーのように移り変わっていきます
(この現象を「筋収縮のリレー」という言葉を使って以降説明していきます)

この筋収縮のリレーが上手く行われている体、つまり1つの動作に対して1か所の筋肉を使うのではなく、さまざまな体中の筋肉を上手く使える体であれば、全身に負荷を分散させることができます。

そのため、ある特定の一部分(腰や肩のような)に負荷が集中することを防げるため、腰痛や肩こりといった痛み・違和感が極めて起こりづらい体であると言えます。

筋収縮のリレーが上手く機能している体を持っている人の例として身近に挙げられるのは、幼少期の子どもです。子どもが腰痛に悩んでいるという話はあまり聞かないですよね。

筋収縮のリレーが上手く行われている子どもの体の動きを観察するには、前屈や後屈をしてもらうとよくわかります。大人と比べて筋肉量が少ない子どもは一部の筋肉に頼ることが出来ません。ですから、さまざまな筋肉をリレーのように収縮して体を動かしています。

では、この筋収縮のリレーを上手く機能させるために、果たして筋トレは有効なのでしょうか。

実は筋トレは、このリレーを途切れさせ、体の一部の筋肉に頼る体を作ってしまう危険性があるのです。なぜかというと、筋トレの源流がボディービルディングだからです。

筋トレの発祥はボディビルディング

ボディービルディング

ボディビルディングは、筋肉の発達と身体美を追求するスポーツです。トレーニングや栄養摂取、休息を組み合わせて、体を引き締め、筋肉を増強します。競技者は審査員の前でポージングし、筋肉の大きさやバランス、定義の良さを競います。ボディビルディングで重要となる要素は、主に ①筋肉自体の大きさ②脂肪が薄く、筋肉の形がハッキリ見えているか③体全体のバランスの3つです。

大会などでもこの3点を中心に評価・採点されるため、ボディビルダーたちはトレーニングを通じて、各筋肉を効果的に鍛え上げることを目指します。

例えば二の腕を鍛える場合は、アームカール(上腕二頭筋を鍛えるためのエクササイズで、手にダンベルを持ちながら腕を曲げ伸ばしする動作)などを行なって上腕二頭筋の筋線維の一部を破断します。その後、適切な栄養と休養を与えます。

すると、傷ついた筋肉は以前よりも少し太くなって修復されるので、結果的に筋肉が大きくなります。これを超回復といい、繰り返すことで筋肉の体積が増加し、筋力アップにつながります。

ボディビルダーの場合は、あくまでも筋肥大が目的となりますから、このやり方で問題はありません。

しかし、筋トレをする目的が腰痛改善の場合、部分的な筋肉を大きくするボディビルディングの影響を受けた筋トレは適切ではありません

ボディビルダーが行う筋トレは、「どうすればこの部分に最大限に効かせることができるか?」を追求して完成したトレーニング。このボディビルディングの考え方を源流とする筋トレを続けていると、全身運動ではなく、特定の部位の筋肉ばかりを使うような運動、すなわち「部分運動」する体になってしまいます。

常に全身ではなく部分を使った運動が当たり前になっていると、負荷のかかった部位には強い痛みが生まれてしまいます。その痛みが生まれた部分が腰の場合が腰痛です。

筋収縮のリレーが上手く機能するためにすべきこと

人間の体は本来、連動して動くものであり、腕を曲げるという運動1つをとっても上腕二頭筋だけではなく、さまざまな筋肉が少しずつ使われることによって負荷を分散させています。

筋収縮のリレーが上手く機能している人が何かを持ち上げようとして、腕だけがパンパンに張ることはありません。

全身を使って持ち上げているため、特定の筋肉だけを使っているわけではないからです。

筋トレで一部の筋肉を鍛えることは、人間の体本来の動きを出来なくする可能性があるという事です。

そのため、やみくもに腰痛のために筋トレをしようとするのではなく、まずは現時点で使えていない体の部分を使えるようにすることが大切です。使えていない理由が筋力が足りないとわかれば、そこにアプローチする筋トレをすることは、とても効果的です。

つまり、やろうと思っている筋トレが全身を使って連動する体の機能を取り戻すことに繋がっていれば、腰痛改善にとって有効です

記事内にも出てきた「アームカール」というトレーニングを例に【良い筋トレ】と【悪い筋トレ】の解説記事もありますので、是非こちらも合わせてお読みください。

正しい筋トレのヒントは全身の連動性にあります。腰痛改善に効果的な連動性療法について、より詳細な情報をお求めの方はぜひLINEからご相談ください。ご予約もLINEから承っております。また腰痛改善に役立つエクササイズ動画も配信しています!

腰痛改善を体感したお客様の声

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この記事を書いた人

パーソナルトレーニング/治療院 連動性療法のバックエイジング。痛みのある部位だけではなく、痛みのある動きに影響を与えている関連している全身の関節の動きにも着目し、正しい筋の使い方に戻していきます。全身の連動性を高めるため、結果的に痛みを取り除くだけではなく、疲れにくく、怪我のしにくい体に若返らせることを目指しています。

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